2022/01/04
子供の散歩と買い物のついでに近所のギャラリーに。昨年末に自宅からすぐ近くにギャラリーができたこともあって、しばしば足を運んでいる。今日、見てきたのは「『デザインのひきだし』のひきだし展」。デザインの裏側を見せるという趣旨の展覧会で、数多くの紙が展示され、実際に触れるようになっていた。今の仕事を始めてからデザイナーとやりとりをすることが増え紙について考えることも多くなったけれども、日常的に紙のことを考えることはそれほど多くない。しかし、印刷物に使われている紙はひとつひとつそのテクスチャーが異なっているわけで、デザイナー雑多なもののなかに微かな違いを見出し、ふさわしいものを選択して用いているのであり、私たちが手に触れるのはその選択された結果である。その背後には選ばれなかった膨大な選択肢が潜んでいる。そのような当然といえば当然のことを思った。帰りがけに一階の本屋で文庫本を一冊、星野太『美学のプラクティス』(水声社、2021年)を買って帰る。後者は装丁が美しく紙の手触りが心地よい。そのような感想を持ったのもこの展覧会を見たあとだったからなのかもしれない。