2022/01/17
1995年のこの日、僕は中学1年生で14歳だった。大阪の実家はそれほど大きな被害があったわけではない。曽祖父からもらった地球儀が本棚から落下して割れた程度だが、倒壊した高速道路のイメージと同様、地球義が真っ二つになった様子は強烈に脳裏に焼き付いている。毎年この日は『神戸在住』の3巻を読むことにしている。ゆるやかで親しみやすい筆致で描かれる日常系の漫画である一方で、そこには他者と共に生きることの細やかな軋轢と気遣いが繊細に描かれる。何度読み返しても発見がある。
名探偵の──、彼らが見て、感じるものって、わたしたちとは違うでしょう。普通の人が気にもしていないものを見逃さず捉えて、手がかりにしてしまう。普通の人が聞き逃してしまう事実から、隠れた人の想いを見つけ出す。そういう大切なことを見逃すまいとする眼差しが、尊いなって